今月18日に開催されたWooCommerce 開発者来日イベント「WooCommerce をもっと知ろう!」に参加してきましたので、手元のメモから思い出しつつレポート書いてみます。

そもそもWooCommerceって?

まずWooCommerceとは何かというと、WordPressのECカートプラグインです。日本のオープンソースでECといえば

  • WordPressのカートプラグインではWelCart
  • ECサイト構築ではEC-CUBE

が有名どころです。WooCommerceは日本ではまだあまり有名ではありませんが、世界的にはよく使われています。また、WordPress.comを運営しているAutomattic社が去年WooCommerceを買収しました。WordPressにおける本家本元ともいえる立ち位置を確保したため、日本でも採用例が増えるのではないかと思っています。

とはいえ本イベントの参加者数は40人程度。まだまだこれから、ですね。

田中昌平さんによるセッション

まずWooCommerceの日本語訳をされている田中昌平さんによるセッションです。歴史的な流れなどいろいろ話していただきましたが以下メモから。

  • バージョン変わるごとにイメージキャラクター(動物)が変わっているよ
  • EndPoint対応してるよ
  • REST APIに対応してるよ
  • Hookポイントが多くていろいろ細かい機能追加しやすいよ
  • onboarding wizardで初期設定が簡単になったよ
  • WooCommerce対応テーマも販売されているけど○○は参考にならないので注意。WooCommerceに同梱されているthemeディレクトリがひな形なのでコピーすれば簡単に作れるよ
  • 日本のコミュニティ立ち上げるつもり。2016年を日本におけるWooCommerce元年にしたい

WordPressはフロント画面を作りやすいのでそのメリットを強調されていましたが、一方で管理画面側には特に言及されていませんでした。そちらはあまり強みにはならないのかもしれません。REST APIがあるのでカバーしようと思えばできるのかもしれませんが……。

別のイベントで別の方が「WordPress管理画面程度でも一般の人には複雑」という話をされていたので、WooCommerceに限らずWordPressを使う場合は課題かもしれません。

ブライス・アダムスさんによるQ&A

WooCommerce開発者のブライス・アダムスさんと田中昌平さんが来場者の質問に答えるQ&Aコーナーです。ブライスさんは日本語ができないので高野直子さんによる通訳です。

以下、思い出しながら。

WooCommerceを使ったおすすめサイトは?

どれだか忘れましたが、ブラックフライデー期間に2億円を売り上げたとかなんとか。結構なアクセス数をさばけるサイトを作ろうと思えば作れるということですね(サーバをどれだけ用意したかは不明)。

WooCommerceでライバルサイトに勝つには?

  • そんな機能はない
  • マーケティングが重要になると思うが、WordPressはページを作りやすいので、それを有利に働かせられるだろう

EC-CUBEで固定ページを作るのはそれなりに大変なので、CMSとしてのWordPressがあるのはWooCommerceの強みと思います。

ボトルネックになりやすいポイントは?

  • そんなにないはず
  • たぶんサーバ設定か、ほかのプラグインがボトルネックになるかも

個人的にはWordPress自体がスケールアウトしにくく思っているので、性能限界がほかにあるだろうという話は納得です(スケールアウトできないからダメということはなく、KUSANAGIのようにサーバ単体の性能で頑張る方法+スケールアップが現実解として十分通用するかとは思います)。

同時アクセスに耐えられなかった場合、在庫数より多く売れてしまうか、まるで売れないか、どちらに倒れるポリシー?

私の質問でしたが、うまく質問を伝えられませんでした。多くのアクセスを捌けるように作っているそうです。

WooCommerceにそこまで求めるのかというのは疑問であるところで、

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という反応はごもっともですし、かといって

{{< tweet 700275318859235328 >}}

という面もあり。現在の実装がどうあれ、先々の改修でどう変えていくか・どういう挙動としたいのかを聞いてみたかったのですが、コミュニティ活動を通して見ていくぐらいでしょうか。英語勉強すべきかとちょっと反省です。

倉庫担当者にうまいこと簡単に指示出せる方法ない?

これは別の方の質問ですが、これもちゃんと伝わらず。海外でWooCommerceと倉庫が連携している例はあるそうですが、具体的なところまでは踏み込めませんでした。CSVダウンロードでも連携は連携ですからね……。

GPLなのにサイトごとに課金するのはどういうこと?

  • 開発体制維持にはお金が必要。サポート料だと思ってよろしく

GPLなので手に入れてしまえば複数サイト作れてしまいます。ライセンス的にはOKですが倫理的にはNG、ということで質問者さん含め会場では意見一致していたように感じました。

ライトニングトーク

概略だけ。

  • WooCommerce関連プラグインの日本語訳状況:まだまだ少ない
  • 決済サービスの選定ポイント:(ちょっと憚られるので伏せます)
  • WooCommerce 事例紹介
  • 携帯アプリも作れるよ、CLIでコマンド2発程度に仕立てたよ

懇親会

ブライスさんの手には「ウコンの力」が。日本の変なものを知ってらっしゃる……。